山とバイクと一人旅

脳みそが痺れるような景色が見たい

「天気の子」を観てきた。確かに賛否は分かれると感じた。

ひとまず、ネタバレなしで感想を書いてみようと思う。

ただ、内容をそのまま書きはしませんが、予想させてしまうかもしれないようなことは書くので予めご了承ください。いやそれをネタバレって言うんだよ

とにかく、まっさらな気持ちで作品を楽しむ予定の方はあんまり見ない方がいいかもってこと

 

※7月20日、加筆修正しました

 

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さて、今作「天気の子」は新海誠が「君の名は。」で大ヒットし、多くの人に認知されてから初めてとなる作品です。すなわち、今までとは比べ物にならないくらいの期待と注目を背負って制作されている、ということです。ただ、その点に関しては既にメディアのインタビューで監督自身が語っているように、そういったことに縛られ過ぎず描きたいものをとことん追求しているようですし、実際に鑑賞してみて、監督の描きたいもの、テーマ、軸みたいなものはブレていない作品だと感じました。

そして感じたのは(これは事前に監督がインタビューなどで語っていたことだから多分ネタバレには当たらないと思うけど)監督はどこまでも「互いを強く強く求め合う男女」を描こうとしているんだろうなと感じました。僕が以前書いた記事で監督の作品に共通するテーマは喪失とか孤独、そしてそれを乗り越えたり受け入れようとする人々だと語りましたが、どうも一番描こうとしているのは互いを強く求め合う男女であり、喪失とか孤独とか、そういうものはそれを書く中でも要素の一つに過ぎないのではないかと感じました。

 

細かい内容はさておき、まずはざっくりと語っていこうかと思います。

まず、「天気の子」はどんな感じの作品なのか、について。

 

簡単に言うと、君の名は。とは少し毛色の違う物語です。

確かに君の名は、と同じエンタメ作品に仕上がっていますが、でも明らかに違うのであれっ、って思うはずです。

ゆえに君の名は。みたいな物語を期待して観に行った人ががっかりして帰ってきてしまわないか少し心配です。少なくとも前作ほどの異例の大ヒットにはならないんじゃないかな、と思います。それは天気の子が間違いなく賛否両論分かれるような物語だからで、でも僕は監督が安易に人気を求めて大衆迎合に走らなかったことが嬉しいです。

まあ、パンフレットの新海誠の記事を見る限り、ものごとはそう単純ではないようですが…

 

作りたいものを押し殺して批判が出ないような作品を作るべきか、それとも自身の思いを反映させた、作家性の強い作品を作っていくべきか。

結論は「より批判されるものを作ろう」という強い思いだった。
 
次に作る映画をどういうものにしようかと。

君の名は。」を批判してきた人たちが見て、より叱られる、批判される映画を作らなければいけないんじゃないかというふうに思いました。

君の名は。」には、それだけ人を怒らせた何かが映画の中にあったはずで、怒らせるというのは大変なエネルギーですから、何か動かしたはずなんですよね。そこにこそ、きっと自分自身に作家性のようなものがある。

あるいはもっと叱られる映画を作ることで、自分が見えなかった風景が見えるんじゃないかという気もしたんですよね。

 

 

新海監督が描こうとしたものを描き切ったであろう「天気の子」、賛否両論分かれることは必至でしょうし、内容に関しても、前までの方が良かったんじゃないか、もっとこうした方がおもしろかったんじゃないかと思う点はいくつかありますが、劇場に行って観る価値は十分にあると思います。

もちろん、誰の心にも刺さる作品ではないわけですから、満足できるかどうかは見る人次第です。ただ逆に言えば誰かにとってはぶっ刺さり、その人のその後の人生に大きく影響を与えるものであれば、どんな作品でも名作だと言えると思います。

「天気の子」は、まだまだ成長していくであろう新海誠の、その途上にある作品だと感じました。

 

次にすこし細かいところの感想を。

まず、新海誠の代名詞ともいえる風景描写。何気ない東京の風景を美しく描き出し、日常の美しさを僕たちに気づかせてくれるのは過去作品と変わらず健在です。

言の葉の庭」辺りから風景が異様なほどリアルに美しく描かれるようになり、細かい映像技術がどうのとかは僕なんかには進化を見て取ることができませんが(正直頭打ち状態に感じられる)(7月20日追記:アマプラで言の葉の庭を久しぶりに観ました。頭打ちなんてとんでもない、明らかに天気の子の方が映像がきれいでした。どこまで行くんだ新海誠、今回は「雲研究家」の荒木健太郎さんが監修するなど、よりリアルな気象描写が楽しめるのでないかと思います。

しかし、ただリアルなのかというとそうではありません。

予告編やあらすじをご覧になればわかるように今作もSF(少し不思議)系の作品です。それにふさわしく劇中では「現実ではあり得ない現象」を多く描写されます。

今作では前作以上にリアルと虚構を上手く融合させた美しい風景描写が楽しめると思います。

 

次に人物描写について。過去のどの作品よりも、各登場人物に強い想いが溢れていると感じました。また、同時に非常にリアルだな、とも感じました。

正しいだけじゃない、美しいだけじゃない、ズルく暗い部分もある人の感情がしっかり描かれていました。

 

ストーリーについて。これ直接的なネタバレなしで書くのはすごく難しいな。でも、「君の名は。」よりもセオリーから外れた展開だなと感じました。登場人物の行動や東京の情景描写に限らずストーリー自体も賛否両論の対象になりそう。

 

でも、爽やかでワクワクできて、でも時折胸が締め付けられるような感情に襲われる、そんな物語でした。

 

考察とかはネタバレなしに語ることが難しいのでもう一回劇場でじっくり観てからゆっくり書こうと思います。

 

何はともあれ、本作は高い完成度と新海誠らしさがしっかり味わえる名作です。あなたにとって刺さるか刺さらないか、面白いと思うか思わないかは観てみないとわからないです。ぜひ、劇場へ足を運んでみては如何でしょうか

 

 

最後に、僕の素直な感想を。

思ってた方向性とは少し違ったけど、想いと想いのぶつかり合う良い物語だったし、なにより本田翼が演じる夏美がマジで最高だった。

ありがとうございます!!!!!!!!!!!!!!

 

 

今回はここまで!最後まで読んでくださりありがとうございました!

 

 

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