北アルプス最奥の山と温泉に行った時の話 後編 【高天原温泉】
続きです。
目次
3日目 雲ノ平散策ー高天原(温泉と夢ノ平でまったり)
この日は全体的にハードな行程の中で唯一のんびりできる日です。
雲ノ平散策して、高天原に降りて終了!って感じです。
まずは祖母岳に登ります。まっ平らなような雲ノ平ですが意外とアップダウンがあります。祖母岳はその中の一つで、山というより丘って感じです。
次はスイス庭園に向かいます。途中でライチョウの親子を発見。ライチョウって曇ってるときにしか出てこないってよく言われますけど快晴の時でもめっちゃ出てくる。
野生動物としての危機感ですとか、絶滅危惧種としての自覚が足らないんじゃないですか!!???どうなんですか!!!????その辺どうお考えですか?????
と、インタビューをしてみたらその愛らしい姿からは想像もつかない汚い鳴き声で返事をされました。まったくお話になりませんね。
スイス庭園からは高天原方面を一望できます。
この展望台は最高(この写真だけ加工しちゃったテヘペロ)
開けた湿原の隣にひっそりと建つのはランプの宿、高天原山荘です。
発電機をあえて設置していないため、この小屋の証明はランプのみなのだそうです。
ここにはテント場はないので今日はこの小屋に泊まります。大奮発して夕食付です!
ここに電話は通じないので予約は太郎小屋経由でするようです。
チェックインして荷物を寝床に置いた後、温泉に向かいます。山で温泉に入れるなんて最高過ぎる!!!!
でもまずは温泉の奥にある夢ノ平に向かいます。
思っているより遠いので本当にこの先にあるのか不安になった頃、目の前が急に開けます。
夢ノ平に到着です。
右手の踏み跡を辿ると竜晶池に出ます。
見てくれよ・・・・最高だろ???
静かな森に囲まれた平らな水面に映る木々と真っ青な空、ここは完成された空間でした。温泉からここに至るまでの道のりも、まるでこんな開けた空間があるとはとても思えないような様子でしたから感動もひとしおです。
さらに奥にはこじんまりした池塘があります。ワタスゲがもしゃっと生えていました。
田んぼみたい湿性植物が可愛いですね
ここで一日うとうとしてぇ~
夢ノ平から先に登山道はなく、どこにも行けません。温泉からの登山道の様子からしてここに来る登山者はあまり多くないのでしょう。
さてお次はお待ちかねの高天原温泉です!
日焼けがえぐいので涙が出るほど沁みましたが極楽です。痛みと快楽は紙一重ってね。
高天原温泉は3つの湯舟があり、二つがそれぞれ囲いのあって男湯と女湯に分かれていますが、せっかくの最奥の温泉なのですからこの囲いのない湯舟で入浴しました。開放感がたまんねぇです。
露天風呂の脇を沢が流れています。温泉でのぼせたらこの沢で水浴びしましょう。キンキンに冷えていて目が覚めます。
ちょうど人がいなかったのでずいぶん長いこと満喫できました。あとは高天原山荘でひたすらダラダラします。
わざわざ担ぎ上げてきた「黒部の山賊」をここで読了しました。
高天原はまさに地上の楽園でした。
昼間から解放的な温泉に浸かり山と自然を愛でながら読書と酒に興じることほどの精神的な贅沢はないでしょう。
また来たいです。
4日目 高天原~大東新道~薬師沢小屋~太郎小屋~折立
朝食は自炊です。ササっと食べてササっと高天原を後にします。
下山路は雲ノ平経由ではなく高天原峠から薬師沢へ黒部川沿いを抜ける大東新道です。「新道」というだけで勘の良い方はどんな道か察しがついたかと思いますが、それほど整備されていない道です。ルートの大部分が黒部の深い谷の中にあるので増水すれば通行不能ですし増水後はルートが変わっている可能性が高いという道ですので、通行の際は近隣の山小屋の方に確認したうえで通行しましょう。
最初は高天原峠から延々とトラバースしていきます。黒部川沿いではないですが沢をトラバースする箇所が多く、増水時にはとても歩きたくないところです。そのうえ、えげつない量の蚊の襲来を受け、ストレスがたまりました。
ようやく黒部川と合流です。ここからずっと沢沿いの道を歩くことになります。
沢登りをしてみたくなります。すごく気持ちがよいです。
昇天待ったなし
とても歩きやすいとは言えませんでしたが本当に心地の良い道でした。
ようやく薬師沢小屋に到達
たのしかった!
ここまで来たらもう安心、かと思いきや、太郎小屋までの登り返しが本当にきつかった…
ヒーヒー言いながら太郎小屋に到着。これで後はほとんど下りです。
ほぼ気力だけで折立まで降りました。(写真は一枚もない)
感想
ずっと行きたかった場所に行けて、見たかったものを見れたので本当に満足です。
赤牛岳はもうしばらく行く気にはなれないですが、高天原はまた行きたいです。それほど素晴らしい場所でした。
大東新道は沢沿いの登山道が気持ちよくて、沢登りに挑戦してみたくなりました。
ここまで読んでくれた方、本当にありがとうございました!
それではまた