冬の笈ヶ岳は遥か遠く
先日、厳冬期の笈ヶ岳(おいずるがたけ)に行ってきましたって書きたかった。
残念ながら登頂できなかったので今回は山行記録というより日記みたいな感じになります。
目次
コースなど
今回の登山は1月12日から13日にかけての1泊2日テント泊、ソロです。
ま~~~~たお前は一人かよ!!友達いないだろ、とお思いの方、それは間違いです。います。誘ったけど断られただけで。ほんとだよ?
冗談はさておき、今まで冬山の泊付き山行は部活の仲間と行っていたのですが、静かな冬の山を一人で満喫してみたかったのとトレーニングを兼ねてソロで行こうと思い立ったわけです。
そもそも初の雪山泊付き単独行の行き先に割とマイナーな笈ヶ岳を選択したのはなかなかアレですけどね。
笈ヶ岳は石川、富山、岐阜の3県の県境に跨る、日本2百名山?らしいです。ちゃんとした登山道がないので夏に行くと延々藪漕ぎをしなければならず、テントを張る場所もなく、道のりがめちゃくちゃ長いえぐい山です。だからといって真冬に行くと豪雪地帯ゆえにラッセル地獄になるという。
ルートは白山一里野温泉スキー場脇にある中宮発電所から山毛欅尾山に登り、冬瓜平を経て笈ヶ岳へ至り、来た道を戻る、という予定でした。実際の最終到達地点は冬瓜平周辺になります。
冬は足が無いので一里野温泉スキー場行きのバスに乗って行ける中宮発電所からの尾根伝いに登るルートを選択しました。幕営は山毛欅尾(ぶなお)山から冬瓜平の間の尾根上のどこかの予定でした。
バスは金沢駅から冬期の土日祝日限定で運行し、金沢駅から片道1300円です。スキー場には9:05に到着し、帰りのバスは16:30出発です。
敗退の理由
言い訳の余地なく自分の体力不足です。もっと言うなら見込みがとても甘かったからですかね。細かいことを言えばそのほかいくつか要因があるのですが長くなりそうでめんどくさいから書きません。
発電所~山毛欅尾山
とにかく最初の中宮発電所から尾根への取り付きがえげつなかった。
いきなり平均勾配40°の急登で、しかも微妙な積雪量のためうまく登れず、ここで大幅に体力を消耗し、その後も続く急登と立ちはだかる低木の枝にペースが上がらず、山毛欅尾山山頂付近で前に進む気力も尽き果て、13:00頃幕営を開始しました。
この日、先に2人組のパーティーが入山しており、彼らのトレースが山毛欅尾山の降り始めまでついていました。僕はトレースありでこのペースだったので本当に体力落ちたな…と悔しい気持ち。トレーニング頑張ろ。
この日、山毛欅尾山までしか到達できなかったため、目標の笈ヶ岳には間違いなく到達できないので冬瓜山辺りまでに目標を変更しました。
山毛欅尾山~冬瓜山手前
朝5:00、暗闇のなかヘッテンをつけて出発です。前日の2人組のトレースはすぐになくなり、ここからノートレースとなりましたが下りということもあり、特に問題なく進めました。
最低鞍部まで到達すると、冬瓜方面からやってきたと思われるスキーのシュプールがありました。
多少は圧雪されて歩きやすいかな?と思い、このシュプールを辿って歩くことにしました。
この判断は悪手でした。
バックカントリースキーはやらないのでよくわからなかったのですが、シュプールは稜線の細かいアップダウンを避け、小ピークを巻くように続いています。スキーの浮力では沈まない雪面もワカンではずぶずぶ沈み、割と急な斜面をトラバースしていることもありめちゃくちゃ歩きにくいです。
さらにあちこちに顔を出している低木の枝に突っ込んでいくシュプールと、馬鹿正直にその後を辿る僕。
何度も同じ過ちを繰り返した後でようやくBCスキーヤーと登山者では適したルートが違うのだ、ということに気づきました。
ようやく自分でルートファインディングしながら楽に楽しく歩けるようになった頃には陽も昇り、南には石川の名峰、白山の堂々と聳えているのが眺められるようになっていました。
感想など
色々と自身の課題が見えてきた登山になりました。どんどん成長していきたいと思います。
帰りも帰りで雪が湿って重くなりめちゃくちゃしんどかったですがとても楽しい、思い出に残る登山でした。
ラスト、前日の2人組のトレースを辿って下山してみると、彼らは中宮発電所奥の林道を使ってぐるりと尾根の北側に回り、尾根にとりついていたことがわかりました。これだと距離は長くなりますがえぐい急登は回避し尾根に乗ることができます。ただ、林道の山側の斜面で1箇所雪崩そうなところがあったので注意が必要かなと思います。
冬山の単独行については、辛いし危ないし、何より寂しいのでオススメできません。僕も当分やりたくないです。
今回はここまでです。最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。