【シュラフ比較】カタログスペックだけで冬山登山用シュラフを比較してみた!【モンベル イスカ ナンガ タケモ MOUNTAIN EQUIPMENT Mountain Hardwear Valandre】
目次
皆さんは冬山でどんなシュラフ使ってますか?
僕は冬山でも使用できるほどの保温力を持ったシュラフを持っていないので手持ちの3シーズン用シュラフを2枚重ねて使っています。
ひとつはモンベルのアルパインダウンハガー650#3。春から秋にかけての1泊以上の登山ではこれを使っています。シュラフの伸縮率が120%あり、シュラフの中で胡坐をかいたり膝を抱えて寝ることまでできるので気に入っています。
もうちひとつはノースフェイスの3シーズン用ダウンシュラフ。アルパインダウンハガー650#3を買うまではこれを使っていました。
現在ではこれを単体で使うことはありません。父親のお下がりなので名称や値段や買った時期は不明ですが温かさなどはアルパインダウンハガー650#3とほぼ変わらない印象です。ただダウンのフィルパワーが低いらしくそのぶん重くてデカいです。
写真だと大きさの差があまりないように感じますが、ノースの方はこれ以上小さくなりませんがモンベルの方はベルトなどで締めるとこの7割くらいの大きさまで小さくすることができます。
僕は冬山ではこの2枚を重ねて寝ています。僕が登った冬山で一番気温が低かったのが-15~-20℃くらいですが、一応寝れました。地面側から這い上がってくる冷気で夜中目が覚めた後はなかなか寝れずに苦しみましたがそれはおそらくマットの問題でしょう。
今年はマットに(たぶん)保温力を上げられる改造を施したので今年登る予定の山であれば十分耐えられるはずなのですが、二つ(しかもひとつはバカでかい)もシュラフをパッキングすると重量で2㎏超、容量にしてざっと15,6Lくらいにもなってしまうため、今年こそは冬用のシュラフを購入することにしました。
当初モンベルのアルパインダウンハガー800#1を購入するつもりだったのですが、ほかのメーカーのシュラフも調べて比較してからでも遅くないと考え直し、日本の主要なシュラフメーカーであるNANGA、ISUKA、mont-bell、それから最近できたTakemoという日本のシュラフメーカー、あとは外国のメーカーでMOUNTAIN EQUIPMENTとMountain HardwearそしてValandreの7社の、モンベルで言う#1くらいの保温力を持つ(と思われる)シュラフをひたすらピックアップしました。
外国のメーカーでシュラフを作っているところはめちゃくちゃ多くあるようですが、シュラフのスペックがわかりやすく記載されているメーカーが調べた限りではこの3社だけでした。
カタログデータを表にまとめてみた
というわけで、各社のHPやオンラインショップに載っているシュラフのスペックを表にしてみました!
この記事は公式HPにある記載だけを元に作成しているので、僕の解釈ミスなどの勘違いや和訳のミスなどがあるかもしれませんし、カタログスペックと実際の使用感に差異があるメーカーもあるかもしれないのであくまで参考までにどうぞ。
見ずらい表で申し訳ないです。
mont-bell | NANGA | ISUKA | Takemo | |||||||||
品名 サイズがあるものは「レギュラー」 |
ダウン ハガー 900#1 |
ダウン ハガー 800#1 |
アルパイン ダウンハガー 800#1 |
アルパイン ダウンハガー 650#1 |
オーロラ ライト 450SPDX |
オーロラ ライト 600DX |
UDD バッグ 630DX |
エア 700SL |
エア 630EX |
ダウン プラス ニルギリEX |
スリーピング マット7 |
品名 サイズがあるものは「レギュラー」 |
フィルパワー | 900FP | 800FP | 800FP | 650FP | 860FP | 760FP | 770FP | 720FP | 800FP | 720FP | 750FP | フィルパワー |
重量 モンベルはスタッフバッグ込み ナンガは「総重量」 イスカは「平均重量」 |
850g | 984g | 944g | 1216g | 865g | 1050g | 1045g | 1100g | 1020g | 1270g | 1150g | 重量 モンベルはスタッフバッグ込み ナンガは「総重量」 イスカは「平均重量」 |
羽毛量 | - | - | - | - | 450g | 600g | 630g | 700g | 630g | 700g | 700g | 羽毛量 |
収納サイズ 体積(概算) |
φ14×24㎝ 4.3L |
φ18×36㎝ 9.2L |
φ17×34㎝ 7.7L |
φ19×38㎝ 10.8L |
φ14×30㎝ 4.6L |
φ17×31㎝ 7.0L |
φ17×31㎝ 7.0L |
φ20×34㎝ 10.7L |
φ20×34㎝ 10.7L |
φ20×34㎝ 10.7L |
20×37㎝ 11.6L |
収納サイズ 体積(概算) |
COMFORT(快適温度) | -4℃ | -5℃ | -4℃ | -4℃ | - | -4℃ | -5℃ | - | - | - | - | COMFORT(快適温度) |
LIMIT(下限温度) | -10℃ | -12℃ | -10℃ | -10℃ | -13℃ | -11℃ | -10℃ | - | - | - | - | LIMIT(下限温度) |
最低使用温度 | - | - | - | - | - | - | - | -15℃ | -15℃ | -15℃ | -15℃ | 最低使用温度 |
生地 | 7dn | 10dn | 10dn | 40dn | 20dn | 20dn | 15dn | - | - | - | 20dn | 生地 |
値段 | ¥70,200 | ¥40,000 | ¥35,000 | ¥26,500 | ¥70,000 | ¥46,800 | ¥47,000 | ¥36,000 | ¥48,000 | ¥31,000 | ¥33,000 | 値段 |
特徴 | ストレッチシステム、独自の撥水加工 | 国内での羽毛洗浄や縫製、永久保証 「オーロラライト」にはオーロラテックス使用でカバー不要 「UDD」は羽毛に超撥水加工 |
3D構造、クリーニングサービス 「エア」には超撥水加工のナイロン66使用 |
生地に撥水 | 特徴 | |||||||
MOUNTAIN EQUIPMENT | Mountain Hardwear | Valandre | ||||||||||
品名 サイズがあるものは「レギュラー」 |
XEROS | GLACIER 700 |
FIREFLASH | HELIUM 800 |
Phantom Flame 15℉/-9℃ |
Phantom Flame Down 3℉/-16℃ |
Ratio 15℉/-9℃ |
LAFAYETTE | BLOODY MARY |
品名 サイズがあるものは「レギュラー」 |
||
フィルパワー | 800FP | 700FP | 800FP | 700FP | 800FP | 800FP | 650FP | 800+FP | 800+FP | フィルパワー | ||
重量 | 1075g | 1250g | 1000g | 1260g | 980g | 1231g | 1134g? | 1020g | 1180g | 重量 | ||
羽毛量 | 605g | 699g | 650g | 766g | 572g | 850g | 600g | 564g | 620g | 羽毛量 | ||
収納サイズ 体積(概算) |
27×25×21 14L |
30×22×20 13L |
25×21×20 10L |
28×23×20 13L |
18×30㎝ 7.6L |
20×33㎝ 10.4L |
20×38㎝ 11.9L |
5.5L | 7.0L | 収納サイズ 体積(概算) |
||
COMFORT(快適温度) | -5℃ | -6℃ | -1℃ | -4℃ | -4℃ | -9℃ | -4℃ | -5.3℃ | -5.4℃ | COMFORT | ||
LIMIT(下限温度) | -12℃ | -13℃ | -8℃ | -11℃ | -9℃ | -16℃ | -11℃ | -12.1℃ | -12.2℃ | LIMIT | ||
Good Night's Sleep Temperature/ 経験上のLIMIT |
-14℃ | -15℃ | -14℃ | -16℃ | - | - | - | -15℃ | -15℃ | Good Night's Sleep Temperature/ 経験上のLIMIT |
||
生地 | 10dn | 20dn | 10dn | 20dn | 10dn | 10dn | 生地 | |||||
値段 | £480 | £320 | £480 | £280 | ¥71,280 | $630→$450 | $260→$195 | \80800(税込) | \76800(税込) | 値段 | ||
特徴 | 静水圧1500mm の耐水シェル使用 |
撥水 | 撥水なし | 撥水ダウン使用 | ダウンの質に強いこだわり | 特徴 |
モンベルは安さと軽さのバランスが秀逸です。生地は撥水加工は当然としてストレッチが効いてこの値段はすごい…
重量はスタッフバッグ込みです。体積は円柱とみなして計算しているのでメーカーの公称の体積より大きめの表示になっています。
モンベル | オンラインショップ | ギア | スリーピングバッグ/マット
ナンガはこだわりと性能とアフターケアの面で圧倒的です。国内での羽毛洗浄や縫製というこだわりに加え、永久保証までついています。製品自体も生地に防水透湿素材を使用したり羽毛自体に撥水加工ほ施したりとすごいこだわったものをつくっています。
DOWN SLEEPING BAG – NANGA | ナンガ
イスカは価格とアフターケアが良いバランスです。縫製や生地にもこだわっているようです。個人的にHPが一番見やすかったです。
温度表示はEUの統一規格であるEN13537での測定値の表記はなく、「最低使用温度」の表記のみでした。
タケモは2015年設立の小さな会社で、今まで知らなかったメーカーですが確かに安いです。公式サイトの定価だとモンベルとあまり変わらない価格帯に思えますがAmazonなどではさらに安くなっているのでお得なのではないでしょうか。
温度表記はEN13537に基づく表記はなく、こちらも「最低使用温度」の表記のみです。
ショップ Takemo - 寝袋の店 Takemo (タケモ)
海外メーカーに関しては、為替レートの関係もあるとは思いますが、まずMOUNTAIN EQUIPMENTはかなり割高感があります。一部モデルには耐水性のある生地を使用しているようです。
MOUNTAIN EQUIPMENTの温度表記はEN13537の表記のほかに「Good Night's Sleep Temperature」という表記がありました。この表記の説明は特にありませんでしたが、文字通りにとらえるなら「EN規格だとこの温度になっちゃうけど実際のところはこれくらいまで使えるぜ!」ということでしょうか。
Mountain Hardwearは撥水ダウンを使っているモデルがあります。少々割高感はありますが本国のサイトでは一部商品が割引されていました。
スリーピングバッグ|マウンテンハードウェア 公式サイト - Mountain Hardwear
Sleeping Bags - Backpacking Gear | Mountain Hardwear
Valandreはとにかく効果ですがそのぶん羽毛にものすごくこだわっているようです。公式サイトに価格の表記が見当たらなかったのでここではアウトドア用品通販サイトキャンプスターさんの価格表示を参考にしています。
Valandreの温度表記はEN規格のほかにも「シュラフづくりの経験からいうとこの温度までいける」という温度表記がありました。もしかするとこのEN13537の規格はあまり現実に即していないのかもしれないですね。
【Valandre】 ヴァランドレ | ピレネー山脈からの技術ダウン
ヴァランドレ Valandre 正規品が特価|神戸の海外アウトドア用品専門店
以上がカタログスペックのみを元にして比較した結果です。
どれが買いか?
ここからは僕の個人的意見と判断になります。
調べてみて、モンベルのシュラフの価格と軽さに舌を巻きました。さすがはシュラフから始まった会社ですね。
作った表を見ながらもうこれならモンベル一択かな?と一度は思ったのですが、はたとシュラフカバーも考慮する必要があることに気づきました。
調べてみると割と高い。モンベルの一番上に出てくるカバーで10000円超えている。重さや体積も考慮に入れると…あれ?
あっこれナンガの方が・・・
というわけでナンガが第一候補に。
シュラフも「オーロラライト」シリーズは生地に「オーロラテックス」なる20000㎜・透湿性6000g/㎡/24hrsの防水透湿性を誇る素材を使用し、「UDD」シリーズでは羽毛自体に撥水加工を施しており、どちらも濡れにめちゃくちゃ強くなっているようです。「羽毛が濡れに弱いなら強くすればよくね???」とでも言わんばかりに羽毛に撥水加工してしまうの、好きです。
実際いくら結露しても保温力に致命的な影響が出ないかどうかと、UDDとオーロラライトのどちらがより濡れに強いのかは不明ですのでネットのレビューを漁りまくったり登山用品店の店員さんに訊いてみたりして決めようかな、と思います。
今回も最後まで見てくださりありがとうございました!