原付で北海道に行った時の話 【スーパーカブ50 北海道ツーリング】 その3
続きです。
今回は礼文島を満喫した後台風直撃の洗礼を受けた時の話がメインになります。
前回と前々回はこちら
目次
7日目 利尻~礼文
礼文島は花の浮島という別称を持つ島で、その名の通り島内には多くの花が咲き乱れています。冷涼な気候からか、海抜0mから多種多様な高山植物が生育している特異な島です。
今回は9月中旬の訪問になったので花はあまり期待できませんが、それでもとても楽しみです。
ちなみにこの時すでにこの近辺に台風が直撃することがほぼ確定していました。おそらくタイミング的に礼文島で連泊すればやり過ごせるし、特に旅行に支障はきたさないだろう~(フラグ)と見込み礼文島へ渡ることに決めました。
礼文島に到着です。
今日泊まる予定の宿の方に会って、島内散策をしてから向かう旨を伝えると、今日は天気が良いので島の北端であるスコトン岬に行くと良いとアドバイスをいただいたので早速向かうことに。
スコトン岬に向かう道中、寄り道した海岸から利尻岳が見えました。
良いお天気ですが山頂付近はガスで隠れています。昨日は本当にラッキーだったようです。
利尻もそうでしたが礼文も海がめちゃくちゃきれいです。
昆布みたいなのが波に任せてゆらゆら揺れていて見ていて飽きません。
何度か寄り道を挟みつつスコトン岬に到着。
かつて宗谷岬と「日本最北端」を争っていた場所ですが、測量の結果宗谷岬の方が北にあることが判明したため現在は「最北限」と名乗っているそうです。
なんだか子供の喧嘩みたいで面白いですね。
宗谷岬は岬かこれ?みたいな場所ですがここスコトン岬は文句のつけようのないほど突き出した岬なのでそれっぽさがあって、あまり観光地感が無いのも相まってなかなか良い雰囲気です。
帰り道も同じはつまらないので別の道から進むことにしました。
利尻岳から見たときはずいぶんのっぺりしているように見えましたが意外とアップダウンは激しいです。海岸線も海食崖になっていてかなり切り立っています。利尻とある意味対照的な島ですね。
歩道を歩いてゴロタ岬なる場所までやってきました。ため息が出るような景色です。
ゴロタ岬のすぐ下からスコトン岬方面。
海があおーい!!
本当にきれいです。
カブを入れて一枚。
こんな気持ち良い道をトコトコ走れるって何て贅沢なんだ…
花は大方咲き終わっていましたが咲いているのもありました。
開花のピークで咲き乱れる中散歩するのも気持ちいいでしょうが、遅咲きの花を探して歩くのもこれはこれで素敵ですね。
そのまま「礼文島で最も綺麗な海」と呼ばれる澄海岬(すかいみさき)へ。
最初、湾じゃねえか。と思いましたが左側にちゃんと岬がありました。
澄んだ海、と書いてskyと読ませるのが何だかオツですね。
話が上手な売店のお姉さんに乗せられてトドを食らいました。
思ったよりずっと淡泊な味でしたが、これは観光客用に赤身だけ出しているそうです。地元の人はクセのある脂身も食べるとか。
それも食べてみたいな~
その後港に戻って本格的に腹ごしらえをすることに。
ところで北海道には「サケのちゃんちゃん焼き」という料理があります。サケと野菜を合わせたものを味噌で焼く料理ですが、礼文ではサケをホッケに替えて焼いた「ホッケのちゃんちゃん焼き」が有名だそうで。ホッケは大好物なのでぜひそれを食べてみることに。
汁とホカホカの白米と一緒に出てきたのがこちら
生のホッケの上に味噌とネギを乗せて炭火で焼いていきます。
火が通った場所から箸でほぐし、ネギ味噌を加えガッとかき混ぜて白米と一緒にかきこみます。
う、うめぇ・・・・!!!!!!!
こんな美味しい魚料理は初めてだぁ・・・
プリプリで脂の乗ったホッケ、香ばしい香りのネギ味噌の組み合わせだけで感動的に旨いのに、それにホカホカの白米が合わさるともう言葉がでてこねぇ。
礼文島に行ったら海鮮丼よりも騙されたと思ってホッケのちゃんちゃん焼きを食べてみてください。ほんと旨いから。
大満足の昼食を終えたあと、映画「北のカナリアたち」のロケ地へ行ったり桃岩展望台でのんびりし、本日の宿に向かいます。
この日の宿はヤバいユールホステルとして名高い「桃岩荘」です。
この宿がどんな感じなのかはいろいろな方が紹介していると思うので詳しいことは省略しますが、とにかく熱くて濃かった。
8日目 台風直撃
翌日は台風直撃で船は始発から全便欠航のため桃岩荘に連泊です。
このまま台風をやり過ごせるものかと思っていましたが昼過ぎくらいだったでしょうか、避難勧告が発令されました。
まじかよ
オーナーの指示でヘルパー、ホステラー全員礼文町役場に避難することに。
何気に人生初避難です。まさか最果ての島で避難するとは思ってもみませんでした。
避難所ですが気さくなヘルパーさんや面白いホステラーさんと楽しく過ごせました。
避難勧告はその日解除されることはなく、この日はここで寝ました。
9日目 礼文島~天塩
翌日、避難勧告解除となり桃岩荘に戻れました。かなり波風が激しかったですが道路や桃岩荘に特に被害はなく、ほっと安心です。
ところが安心したのは束の間、台風は過ぎ去ったものの波がとても高いため午前のフェリーがすべて欠航を決定しました。
まぢかよ
さすがに午後の最終便まで欠航となると今後の行程に大きな影響が出るので少し焦りました。
休暇が今日までしかないホステラーの方の焦りは僕の比ではなかったでしょう。
ところが何とか午後の便は出航してくれるということで大勢のホステラーさんと一緒に礼文島を脱出することができました。
台風過ぎたあとでも海には影響がかなり残るというところまで考えが回りませんでした、本当に危なかった~
ヘルパーさんはじめ、引き続き島に残るホステラーさん達が見送ってくれました。
半分くらいは避難所にいましたが、桃岩荘は本当に独特な宿でした。こんな宿はきっと世界中探してもここしかないだろうと思います。
合わない人はとことん合わないでしょうが、合う人はとことん合う宿だと思います。僕には正直あまり合いませんでしたが、合う人にとっては第二の故郷や心のふるさとに成り得る場所なのではないでしょうか。
・・・なんて思いながら小舟よろしく揺れまくるフェリーで吐きそうにながらも稚内に到着。揺れない地面、サイコ~
ここからは迫りくる夕闇に追われるようにカブをぶっ飛ばして今日の宿に向かいます。
明日には小樽に着いていたいのでなるべく距離を稼いでおきたいのです。
完全に日が落ちた後に到着した本日の宿は鏡沼海浜公園キャンプ場のライダーハウス。
キャンプ場に併設された簡素なプレハブの中で雑魚寝します。なぜかキャンプするより安く泊まれます。
電源はたしかプレハブひとつにつき1箇所しかなかった記憶があるので他のライダーさんとうまく譲り合う必要があります。
すぐ近くに温泉があり、入りましたが今までに体験したことのない独特な泉質で面白かったです。
次回
次回は
- 積丹ブルー
です。
たぶん次回で最後になると思います。
読んでいただけると嬉しいです!